_/_/_/_/快居への取り組み_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 ●外出を容易に
  Aさんの希望は、外出を容易に行える事でした。これまでは
 家族の介助で玄関と廊下の段差(41cm)を可動式のスロープを使い、
 外出していました。
 スロープの角度は、急勾配で、危険な移動でもあり、Aさんも介助者も
 大変でした。
 今回の改善目的は、Aさんの希望である外出を容易にする事でした。

 ■ 改造計画の為に検討した事項等
  1) 担当医師及びPTの意見、アドバイスを聞いた。
    (病院訪問にてAさんのリハビリに立ち会った。)
  2) 家族との打ち合わせ。
  3) Aさん、家族との打ち合わせ。
     (住まいの調査も同日実施)
  4) 市の福祉担当課打ち合わせ。
     (住宅改造費助成事業利用の為)

 ■ 実施した改善工事
  室内の床は、玄関土間から41cmの高さであるが、縁側、
  脱衣スペースを除き、ほぼフラットで、トイレも近く、
  車椅子での移動は、支障なく行えるようでした。
  外出ルートは玄関又は縁側からでも可能でしたが、
  玄関土間を改造した廊下を利用し、段差解消機を設置する事に
  しました。
  この事により、台所からも視野に入り、声も聞こえ好都合です。
  玄関のスペースも確保できるため、家族の動線も従来どおりです。
  工事完了、後訪問し、状況を伺うと、問題点が2箇所ありました。
  第1 は、
  和室と、寝室出入り口の敷居による段差部(9mm)で、段差解消の為に
  ゴムラバーを取り付けたが、うまく乗り越えれないとの事でした。
  たとえ9mmの段差でもゴムラバーのしなり及び、畳の上に敷かれた
  ウッドカーペットのわずかな沈み、跳ね返り等が、
  原因のようでした。
  その後、板材をカーペット下に敷く事で解決しました。
  第2 は、
  昇降機ステージ部で、車椅子の乗り換えの為に取り付けた手摺の巾
  (80cm)を160cmに延長したいとのことでした。
  タンスを移動して取り付け可能の為、日常生活用具給付事業を利用して、
  近日中に実施する予定です。

 ■ 主な改善内容
  1、昇降機の設置 (※写真)
  2、床組の手直し
  3、車椅子乗換時の補助手摺
  4、敷居の段差解消 (※写真)
  5、建具の取替
  6、同時に床レベルを平坦にする

  大変分かりにくいので拡大図はここにあります(105k)


_/_/_/_/_/_/作業療法士さんはこう考える----手すり(2)__/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
和歌山県立医科大学付属病院 尼寺謙二(作業療法士)
 [手すりの形状と位置]

・普通の歩行に利用する場合は、杖と同じような使い方ですが、
 壁から体を離す位置の関係で、杖よりも少し高くします。

・段差の移動、立ち上がりに利用する場合は、縦・
 もしくは斜め手すりを使います(横手すりでも役に立つ)。
 また、手すり以外に、立ち上がり時は前方に乗り出す空間が必要です。

・階段の手すりは、昇りよりも下りの方が姿勢が不安定に
 なるので、原則として下りの時に利用しやすい
 高さに合わせます。

・部品の問題からか、丸てすりが標準になっていますが、
 使用者や利用場面に応じて、平らなもの、楕円断面のもの、
 グリップ形状のものなどを
 選択して設置するとより有効性が増します。


  [手すりの様々な使い方]
・立ち上がりの際、十分に前傾して体重を前方に移動する事を
 誘導するために、前方、膝よりも低い位置につける手すりもあります。

・リウマチの方など、手すりの握ることが難しい場合は、
 肘や腕前で支えるため、平らな手すりや幅の狭い棚のような支持物を、
 腕の高さ位置につけることもあります。

・背中が極端に曲がった方は、肘を深く曲げて利用する、
 逆に肘を延ばして非常に低い位置で支えるなど、普通の高さの
 調整と違うことがあります。

・移動よりも、寄り掛かって姿勢を保持することを目的として設置することがあります。
 (トイレの着衣上げ下げ時、用便時の座位保持、洗面台の使用時、
 キッチンなど立ち仕事の際に寄りかかるなど)

・作業時の姿勢保持に使用する場合、腕や足をからめて支点とすることもあります。

・失調症の方などでは、寄り掛かるようにして使用する手すりや、
 頭上に乗り物の手すりのような形で取りつけることもあります。

・住宅ではありませんが、妊婦さんが利用する場所では、
 前傾姿勢が取れないので、通常より高くする必要する必要がありました。

このように、利用する人によって最も利用しやすい手すりは変わってきます。
住居の改善では、利用者が決まっていますから、
その方々に合わせた選択が必要になります。

           〜〜〜以上〜〜〜

〜〜快居の会メンバーの紹介〜〜

川上 昌広さん    T定規環境から25年かかって、PCの環境へ移行しました。苦闘1年6ヶ月、ようやく慣れたところです。
             ところが、最近また僕は苦戦をしいられています。相手は新しくした携帯電話。
             今度は2ヶ月程度の 戦いにしたいものです。

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