特定非営利活動法人 福祉医療建築の連携による住居改善研究会 住居改善実践事業部 No. 09 2002. 3.25


快居の会受付 TEL FAX 06-6946-6161

〒540-0036
大阪市中央区船越町1-6-2-702 アトリエVOID内

9号記事

■「高齢者・障害者のための住居改善」を出版
■店舗付き住宅をデイサービスセンターへ
■快居への取り組み


「高齢者・障害者のための住居改善」を出版しました                  馬場 昌子

  4年前、作業療法士の尼寺謙仁さんの提案から始 まった 福祉・医療・建築の連携のための「共通言語化プロジェクト」の成果が、今回、出版の運びとなった。 長年の研究会仲間である彼が、リハビリテーション領 域の 説明をするとき、建築や福祉の領域のものにも よ くわかるようにと、ほとんど専門用語を使われること はない。その彼からの提案だったので、普段、私たち と話すときに相当工夫されており、不便だったのだろ うと 実感できた。
 なるほど、本書「2・3リハビリテーション」を読んで みると、「これくらいのことは知っておいてね」と いう彼からのメッセージが伝わってくる。以前、大学 の授業で、「骨学」だけで半期の授業を開講されていたと 伺ったことがある。本書では「コツ」に関しては、 4分の1ページの記述である。そういう知識のレベルで あることを肝に銘じ、専門分野の奥の深さに敬意を 表しつつ、せめて門前の看板程度は読める知識を身に つけて、連携しようということである。
 同様のことは、建築についても言えるし、福祉に ついても言える。
 建築の立場からすると、住居改善支援を進めていく 上で、間取りや家具の配置くらいは、どの分野の人でも 図面化できるようになって欲しいと切望している。 住まいを扱うのに、その空間の形状と大きさ、空間の つながりについて表現できること。この力がつけば、 住まいの何が問題であるのかという勘どころは 押さえら れるはずだ。そして、「間取り図」を介することで、 住 居改善がスムーズに進むことであろう。
 そのために、「2・5 あらかじめ調べてみよう」を 読 んで、ご自宅の間取りを描くことを実践していただき たい。 今まで、どのように図面を読み・描きするのか 戸惑っていた方々も、「ハハーン、なるほど」といった

A5変版 160 頁/定価(本体2800 円+税)
ISBN-7615-2270-4 学芸出版社 

調子で、図面表記のコツをつかんでいただけることと思う。 特に、新しい職種であるケアマネジャーさん達 には、住宅改修のために「間取り図」を活用していただけたらと 願っている。
 本書を執筆した主要メンバーは、福医建研究会い、 高齢者・障害者の在宅生活支援に取り組んでいる 各分野の実務家である。本書が出来上がるまでには、 2年間に重ねた研究会での議論を踏まえている。 専門の垣根をこえた共通言語化への熱意を汲取って いただきたい。
 本書が、同じように連携して住居改善に取り組もうと している多くの分野の方に役立つことを希望する。
(あとがきより)

次のページへ(2/3)


back