■ 快居への取り組みー家の中に病室はつくらない―                          福田由利・佐藤和子 
設計コンセプト

活動しようと思う空間へ
1.目にやさしい光空間の創造
2.活動し易い床の確保
  ・冷たくない床・段差のない床・車椅子対応の床
3.開放的な空間創造
4.思い出と熟年らしいシックさを演出
5.将来の維持に不安を残さない
 ・構造補強・室内の断熱性能アップ
 ・シックハウスへの配慮
 ・目の届かない屋根部分はメンテナンスフリー
 (屋根材・トユの交換)
設計者からのひと

こといかなる提案も住い手が将来の生活に積極性が
ないと、より良い効果を生み出せないことを改めて
痛感しました。住い手の力と創り手の力の
コラボレーションです。

改修前平面図


アプローチ門前
・中央部をスベリ止めタイルに貼替え。 
・人感センサー付防犯用照明。

屋根を半メンテナンスフリーの
建材に葺替え
溶 室
  ・洗い場に立ちあがり用の既存手スリがありましたが、
   位置が不適切で使用不可。
  ・動作シミュレーションを繰り返して手スリ位置を検討。
   3箇所取り付け。



サンルーム
・趣味の蘭等の植物がリビングの主となっていた。季節毎の花の移動や水遣りが辛くなり、要望のサンルームとなった。
・排水可能な土間、床レベルでは金属性のグレーチング。床下には冬場に備えてシャッター付換気ガラリサッシ面も断熱効果を期待して樹脂ポリカボーネートを使用。
・リビングは人間のために解放されました。

  L D
    ・暗いLDは、天井の塗り替え、照明器具の
    交換特に食卓上は、器具の高さ調節可能
     なものに交換。

寝 室
1 ・壁、天井はプラスターボードをベージュ色に塗装
(シックハウス対応の水性塗料)。
  ・間接照明の反射光で光りやさしい空間を演出。
  ・外光は木製ブラインドで調光。
2 ・開口部は全てペアガラス採用。
  ・庭側は開放感を獲るために透明ガラス。
  ・視線の調整を木製ブラインドで。
3 ・床は、室内環境汚染物質や介護に関する臭いを
   吸着分解する加工や、抗菌
  ・制菌加工を施し、且つ、車椅子使用にも耐えうる
   タイルカーペットを寝室・キッチンに採用
  ・段差は木製三角スリ材で調節。
4 ・収納は、240cmの天井高いっぱいの1間の物入れに
   ハンガーパイプを2段設置。
  ・カウンター下に可動棚
  ・既存のタンスをビルトインし収納率をアップ。
5 ・希望の畳ベットは立ちあがり易い高さでオーダーメイド
  ・寝室には、加齢の今後を考え、単にトイレではなく
   身だしなみを整えるグルーミングコーナーを設置。
   アールの引き戸はインテリアアクセント。
  ・照明は、人感センサー付。室内換気用換気扇も設置。




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