■ 快居への取り組み〜重度心身障害者のナイトケアの場づくり〜          松村 優    
< 経過>
  貸倉庫での介護サービス事業所事務所の階下をディサービスのスペースにしています。午後5 時〜 10 時の間で、ケアの主な内容は入浴と食事です。くつろぎの多くはマット上で、また一部はリクライニング式フ 車いすです。身体上の全介護を要し、また感情や意志伝達が困難であることに対し、介護では小さな反応や表情の変化をみる余裕が欲しいものです。職員の方々と、仲間の様子や介護の仕方を始め、場の雰囲気など について検討を重ねました。

< 場づくり>
  下表は室内での介護行為・動作の流れと形態を想定した上での、スペースと設備・備品、建物部位の必要 条件です。全体に広くない面積(70 ? ) で、入浴関係のスペースの割合が高いのですが、移動と動作はうま くいっているようです。天井にドーム形を取り入れ広がりを演出しています。仲間がマット上に寝転がって くつろぐケースが多いために、花や鳥、イルカなどさまざまな形が光の映像で動き展開する装置を導入しま した。バックミュージックと合わせ感覚への刺激と反応を生む期待をこめています。
 
生活行為動作表
生活行為:入浴 係わる人:対象者1名、介護者2名
一連の動作
分解図
装置
建築と装置の配慮
・脱衣場に入る

( ・扉を開ける)

( ・入る)

( ・扉を閉める)

・マット台車を用意

( 車椅子そばに引っ張りだす)

・車椅子から降ろしてもらう
( 降ろす)
( 台車に横たわる)


・衣類を脱がしてもらう

・車椅子を片付ける

・台車とも浴室へ移動入る

・浴室内移動( 台車のまま)

・浴槽横に台車をもってくる

・浴槽に入る
( 抱えて入れる)?

・湯につかる

・浴槽からでる( 出す)

・台車に乗せる

・台車のまま洗い場に移動

( 湯水栓を使う)

( シャワーを使う)

( 石鹸、シャンプー
ボディソープ等)

・浴室から出る( 出す)

 はめ込み浴槽 

 シャワー水栓

 シャンプー等
 の置台

片手で容易に開く戸

段差のないレールまたは吊戸
引き戸



台車の形状・長さ

ひざをつくのでソフトな床
かつキャスターのスムーズ
な動き

広い出入口

水切り溝ソフトなみぞ蓋







浴槽の深さ配慮

滑らない浴槽底

浴槽の巾

浴槽の形状工夫

浴槽清掃が容易なこと

届きやすいカラン

シャワースライドバーつける



置台の位置・形状配慮

物が落ちないこと

・浴槽への給湯・排水 短時間で出来るようにする
インターバル1 0 分以内にする
給湯器2 台で5 、6 分
大口径の排水栓で4 、5 分
   


次のページへ(3/4)


back