特定非営利活動法人 福祉医療建築の連携による住居改善研究会 住居改善実践事業部   No.15 2008. 1.25

  

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15号記事

■ 報告〜関西大学実証実験住宅について
■ 快居への取り組み〜Y君のためのバリアフリー改造
■ ここが違う、作業療法士と理学療法士の役割
   

■ 報告〜関西大学実証実験住宅(月が丘住宅)について                             馬場 昌子    
 この数年間、工学部のいくつかの学科の先生方とチームを組んで「高度福祉社会QOL支援工学構築」の ための研究を進めてきました。研究の出発点で、当事者と生活支援策の提案者である研究者の相互で問題の 共有化が必要であり、かつ実際に当事者に役立つ実践的な課題の追求を行うということが確認されました。 そこでこの研究拠点として、当事者・研究者・支援技術者が一堂に会することのできる場として、また、地 域や医療機関などに開放して研究成果を直接公表・還元する場として「実証実験住宅」を建設することにな りました。そして、実践的研究の仕組みをつくることも合わせて考えています。
 平成18年度は、その企画・立案・建設に追われました。快居の会のメンバーも応援団として参加しました。 平成19年2月22日に竣工しました。
 実際に体験可能なゾーンは以下の5つです。
 A、居住体験ゾーン  B、LDK体験ゾーン  C、動作シミュレーションゾーン  D、光環境ゾーン
 E、その他体験ゾーン
 
 居住体験ゾーンは、「住まう」行為の基本である 「睡眠・食事・排泄・入浴」の動作確保を主題としたリビングのような寝室です。LDK体験ゾーンでは、 台所設備での体験が中心となっています。シンク位置を中心に、レンジ・調理台の配列と高さを  変化させることができます。また、L字型の「90歳になっても使える台所」を目指したモデルキッチンを作成しました。 現在ここで、調理実験を重ねています。

   動作シミュレーションゾーンは、自立生活の尊厳を維持するために必要な、入浴と排泄動作のシミュレーションを可能とする 各種設備を配置しています。浴槽と洗い場(2分割)の高さを変えて 使える浴室形態をシミュレーションできる装置、札幌式トイレを 床レベルまで下げることができるようにした装置や、便房の広さ を両脇の壁と前方のドアつき壁および便座高さを自由に変化させ る事のできる装置による、便房シミュレーション装置などを配置 しています。このゾーンは、特に住居改善実践中のシミュレーションとして、皆さんに気軽に、積極的に使っていただければと考えています。
 実験住宅内には、さまざまな手すりや、扉、取っ手などを配置し、2階の一角では、さまざまな床材をお いたコーナーもあり、日ごろなかなか試すことのできない生活シーンを多数体験できるよう工夫したつもり です。興味があれば、あるいは、動作シミュレーションが必要であれば下記にお申し出下さい。実験に差し つかえない限り公開いたします。

 お問い合わせは、http://www.mec.kansai-u.ac.jp/qol/ ・TEL/FAX 06-6339-1995(木・土・日を除く9時〜1時)


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